Blog

2023年11月8日

人材から人財への道のり::Vol.69::「お任せ」とは

「お任せ」というとどんなことを連想しますか?私の場合、お任せ料理コースを連想します。お任せの寿司ですと、その日にとれたてのネタで、最高の新鮮な寿司を出してもらえます。寿司職人は絶対に最高のものを出してくれるという信頼関係がベースにあるのではないかと思います。その寿司職人の腕前、そして、信頼関係があることで、安心して料理を楽しめるし、多少割高の価格設定でも、喜んで払っているわけです。

同じようにフランス料理でも同じことが言えるかもしれません。当然、単品はあるものの、シェフが最高と思うようなコースの組み合わせを提案してくれます。

さて、仕事において「任せます」と言う場合、一般的にどのような意味合いで言うのでしょうか?

①どうでもよい、大したリスクでもないので、適当に判断して進めてもらいたい。
②中程度の重要度で、恐らく問題なく判断できるだろうし、失敗しても学習材料にしておけばよい。責任は上司である自分が何とかかぶる。
③担当している領域なので、適切な判断ができて、当然である。
④自分ができないことをしてくれているので感謝している。最高の出来を期待している。

逆に、任せられる人はどんな心持ちでしょうか?

①面倒な判断をやらされた。
②信頼されてよかった。自分で好きなように決めてよい。最終責任は任せた上司にある。
③自分の領域なので、口を出さず、任せてもらい、助かっている。
④信頼され、その信頼に反しないよう、最高レベルのアウトプットを出そうと意気込んでいる。

お分かりの通り、信頼関係があって、本来のお任せの意味では、任せる方は④、任せられる方は④の状態で成り立っていることが望ましいと考えます。

ところが、実際問題、意外とよくあるのは任せられる方が②の場合です。権限移譲されたと思って、ボス猿になる傾向がみられます。そして、その場合上司から最高のものを出すことを期待されている、ということを理解していません。そこで、上司と部下の考え方の違いにより現れる現象をリストアップしてみました。

任せる方
任せられる方
任せているが失敗することを予測している リスクをとれる範囲で、学習機会を与える 本当に信頼して任せる(上司というよりコーチ)
最高の結果を出す責任を理解していない 多くは失敗で終わる。終始、従属関係になる 力を出し切っていないので、与えられる機会の割に学習スピードが遅い 徐々にチームの成長についていけなくなり、チームから去っていくことも想定できる
最高の結果を出す責任を理解している ダメ押しされ、関係がぎくしゃくし、自ら、チームを離れる可能性がある どんどん成長する チームをけん引する中心メンバーになる

最高な組み合わせはプレーイングコーチと、最高の結果を狙っている社員との関係ではないでしょうか。そういう意味で、上司にはコーチングスキル、そして、スタッフにはNever Give Up精神がもっとも適切なスキルと言えます。

―――――

プロフィール
Nguyen Dinh Phuc
E-mail: nguyen.dinh.phuc@hrnavi.com
Tel: 097 869 8181

国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。

人材から人財への道のり