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2023年8月9日

人材から人財への道のり::Vol.66::継続できない理由のいろいろ

「継続は力なり」ということわざがあるように、継続は力になるというのは誰もが知っています。しかし、何かをやり続ける際には継続できない理由がいろいろ出てくるものです。その際に挫折するか、乗り越えられるかで最終的な結果が変わってきます。これまで自分がどれくらい何かを継続してやってきたかを冷静に分析してみると、ほとんどは挫折して終わっていることに気づきました。その理由について、考えてみました。

一つは上手く生活習慣化されていないことが挙げられます。例えば、過去にギターやドラムに挑戦したことがありますが、最初はかなり楽しく練習しましたが、仕事が忙しくなると、練習スケジュールを守れなくなり、最終的にやらなくなってしまいました。その後、何かの本で、やることを生活習慣に取り入れて、決まった時間に練習を行えば、習慣になり、継続できるようなるということを読み、実践してみました。各日の決まった時間にランニングするとかジムへ行くなどがこのことで習慣になり、今日まで継続することができました。

継続は力になるという信念のもと、ひとつのことを継続できたため、さらにレベルアップに取り組みました。やる時間が短くて、どこでもやれる、そして、やるほど力がつくということで、いろいろ検討した結果、プランクに挑戦しました。

※プランクは、腹筋運動で核を鍛えるエクササイズで、軍人ジョセフ・プランクに由来します。体を伸ばし、肘を90度に曲げた姿勢を保持し、背中や腹部を鍛え、姿勢と安定性を向上させます。効果的なコアトレーニングとして、腹筋だけでなく背筋、臀部も強化し、腰痛予防にも役立ちます。初心者は20秒から始め、徐々に30秒、1分と増やすのが良いでしょう。定期的なプランクは全身の筋力を改善し、姿勢をサポートします(ChatGPTより)。

これは思っている以上に大変です汗。最初は2分ぐらいでへとへとでした。しかし、継続は力になるのことわざ通り、徐々にやれる時間を増やすことができました。やり続けて、最終的に朝は14分、夜は9分できるようになりました。プランクをするたびにかなりの量の汗をかき、健康と新陳代謝を促進されるとてもよい運動になりました。しかし、ある日、突然、辞めようかという気持ちなりました。

体調は万全で、やろうと思えば、継続できるはずだし、6か月ぐらい継続的にやっているので、完全に習慣化されており、やることにはとくに苦ではありませんが、どうしたかと私自身も不思議に感じました。プランクの世界記録は9時間半でまだまだいくらでも挑戦する余地があり、ミッションコンプリートではないはずです。頭で考えればそうでしたが、プランクを継続したい気持ちが湧いてきませんでした。6か月も継続していて、それなりに力がついてきたのに、それが白紙になるのはとてもつらく感じました。

これに対して、また、いろいろ調べました。そしてわかったのは習慣化されているのはやっている行動だけであり、それに気持ちが伴っていないことが原因のようです。つまり、目標を達成するために体を絞って頑張りましたが、それに対して、楽しい気持ちはプランクが終わってからたった数秒間だけで、やっている間はむしろ苦しい気持ちだけがいっぱいです(笑)。そのつらい気持ちが脳に蓄積され、だんだんとやるモチベーションを低下させ、最終的にはやらなくなる道を辿ったのです。

このことは一例で、同様の考えが仕事にも通じると感じました。つまり、KPIばかりに追われ、未達が続けば心が折れることは簡単に予想がつくが、仮に達成し続けても楽しくなければ、最終的には心が折れてしまうことが予想できます。やっていること自体が楽しいことをベースに、さらに、KPIを達成し続ける、そういう世界が最も目指すべき世界と気づかされました。

最終的な結論はごく当たり前ですが、「楽しく継続できれば力になる」ということになります。継続することがポイントではなく、いかに楽しいことを継続できることがポイントになります。

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プロフィール
Nguyen Dinh Phuc
E-mail: nguyen.dinh.phuc@hrnavi.com
Tel: 097 869 8181

国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。

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