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2021年11月3日

人材から人財への道のり::VOL 48::断言したがるベトナム人

私は日頃、仕事上、スタッフに対し気づきを促すために、意図的に質問を投げかけています。
これは他にリスクがありませんか?このソリューションはベストですか?もっと良いやり方はないですか?ミスがないか自分で確認してみてください、などなどという具合です。たいがいは自信を持って、「はい、他にリスクはないと思います」であったり、あるいは、「はい、これがベストだと思います」という返事が返ってきます。敢えてヒントを与えようと質問を投げたのに、こちらの意図を一切汲み取らず、躊躇なく、即答してしまった状況です。こちらで答えを言ってしまえばそれまでで、スタッフの自主的な問題発見スキルを向上させることができないため、何も問題がないと思っていることにどう対応すればよいか困惑する場面が多々あります。

同じように日本人スタッフに質問を投げかけたら、個人差はあるものの、少なくとも、このボスは何が言いたいのだろう?と考えた上で返事をします。相手の意図をしっかりと分かった上で、賢い子は新たな気付きを得て、結論を修正する。自分でははっきりと問題を突き止められないが、問題があることはわかるので、素直に教えてくださいと尋ねてくる子もいます。もちろん、中には全く相手の意図を汲めない子もいますが、ベトナム人スタッフ程多くないというのが私の感覚です。

そこで、こちらの意図を理解して欲しく、機会があるたびにレクチャーしてきました。

上司から大丈夫ですか?と質問されるということは、何か問題があるということを仄めかしているのだから、しっかりと考え直した方がいいよと。

しかし、実際のところあまり効果はありません。そもそも立ち留まって考える習慣がないので、相手の意図を汲み取るための時間は作られません。なんとかしてパターン化された思考プロセスを止めて、その隙間に考えさせるための質問を投げかける必要があります。ただし、質問自体を工夫しなければ、同じく「大丈夫です」としか返ってきません。

質問 工夫した質問
他にリスクがありますか? 他にどんなリスクがあると思いますか?
もっとよいソリューションがありますか? これよりよいソリューションがあるはずです。もっと考えてみてください。
これだと間に合いますかね? 納期を遅らせるリスクはどんなものがあるかリストアップしましょう。

ポイントは問題ないと言って、それ以降何もアクションを起こさない状況を作らないことです。ゴールを与えてアクションを促すことによって、はじめは気づかなかったことに本人自身で気がつくようになります。この作業をずっと繰り返すとスタッフにとって気づきの機会が増え、視野が広くなるにつれて、自分自身の見方が主観的なものから、客観的なものになります。そうなると、大丈夫ですかと何気なく言われても、はっと気づいてくれるはずです。

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プロフィール
Nguyen Dinh Phuc
E-mail: nguyen.dinh.phuc@hrnavi.com
Tel: 097 869 8181

国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。

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