Blog

2020年12月9日

人材から人財への道のり::VOL 38:遅延について(その②)

何かを取り組むときに最初は取り組む対象自体が新鮮なので、意識する一定の期間では継続することができます。例えば、運動しようと決めたら、1週間ぐらいは予定した運動はできます。しかし、時間がたつにつれて、意識が薄れてくるところに、他にやりたいこと、例えば、外食や仕事の都合などで、どんどんやるべきことをスキップして、いつたってもやろうと決めたことが習慣化されずに終わっています。

言い換えると、強い意志によってやろうとすることが推進されるレベルでは、特殊ではありますが当初より相当強い意志を持つ人、または行動管理が強要される環境であれば、行動自体が習慣化されやすいですが、そうでなければ、(私のように自分に甘い人間では)ほとんどは中途半端に終わってしまいます。なぜ、強い意識が必要かというと、新しい行動が習慣になるためには長い期間において、何度も反復運動が必要なので、慣れていない間は毎回毎回つらい気持ちが伴います。つらい気持ちを打ち勝つためには強い意識が必要からだと思います。

簡単に言えば、やることがつらいから続かないが、そこをある種の工夫を施し、楽しくアレンジできれば、誰もが進んでやりたがるはずです。一方で、人間の心理では辛いことの後に楽しいことがあれば、辛いことはほとんど忘れて、楽しい思いだけを記憶に残す仕組みになっているそうです。毎日の辛い練習を繰り返すスポーツマンが、大会で1位になれば、また、新たに1位になるために日夜練習に取り組む、これこそが最たる事例です。であれば、習慣化したい行動を行ったら、何かご褒美を与えてはどうか、努力の後には対価をもらえばよいと考えます。

上記の通り、計画性と遅延について、整理してみました。

まずは上表のように、自分の行動パターンを棚卸することから始まります。習慣になっているかどうか、そして、その習慣の反復期間(毎日、毎週、毎月など)という二軸で棚卸する。次は習慣化したい行動と習慣になっている行動を対で組み合わせてみますと、下記が考えられます。

  • 子供の勉強を見てあげたあとは、ご褒美としてテレビドラマをみることができる。
  • 庭の草むしりをしっかりできていたら、ご褒美として、週末の買い物と外食ができる。
  • 家の掃除ができたら、ご褒美として、お洋服を買うことができる 等々

ちょっと幼児的な感じもしますが、大人でもご褒美は必要ですので、楽しく取り組むことができます。取り組む時、留意点はいくつかがあります。

  • 一気にたくさんご褒美が付与される行動は失敗のもとです。頭が混乱してストレスになり、楽しいご褒美も楽しくなくなり、疲弊して、投げ出すこともあり得ます。
  • 目的は新しいやるべきことを習慣化すること。つまり、ご褒美がなくても楽しく行えることなので、取り組むにつれて、新しいやるべきことを深堀し、新しい発見をどんどん取り入れるべきです。次第に新しいやるべきこと自体も楽しくなります。
  • 人間はロボットではないので、完璧でツキのないスケジュールで動くのも限界があります。なので、何もしないあるいは思い付きで何でもやってもよい無計画時間を計画する必要があります。

いかがでしょうか?
日本という社会では、私から見て、とてもシステマティックに動いています。社会的な行事、企業内行事、礼儀作法たくさんあります。そうやって、多くの良い習慣が形成されているのに対して、ベトナムでは休みが少ないし、みんなそれぞれ自由勝手に動いているので、時間を守ることも含めて、あまり多くの良いとされる習慣を持っていない。私自身もこの方法でとても簡単にいろいろ取り組むことができていますので、これから、情報拡散して、より多くの人が良い習慣作りできることを願っています。

次回は、諦めやすい癖Give Upについて、考えたいと思います。

―――――

プロフィール
Nguyen Dinh Phuc
E-mail: nguyen.dinh.phuc@hrnavi.com
Tel: 097 869 8181

国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。

人材から人財への道のり