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2020年11月12日

グエン・ディンの「人材から人財への道のり」VOL 37:遅延について(その①)

2020年2月号には「計画性の弱さ(HRnavi Blogs - グエン・ディンの「人材から人財への道のり」VOL 20::ベトナム人の計画性のなさ。)」について考察しました。社会が発展していくと人件費が高騰し、経済合理性がますます求められるので、自然に計画的な行動をとるようになると考えています。しかし、社会的な発展に伴って社員教育のスピードが追いついていないので、社員に計画性のある行動を求める際、できる社員とできない社員の間に、圧倒的な違いが生まれています。それは仕事に対し、行動が遅延する度合いを指します。

上記の通り、計画性と遅延について、整理してみました。

①計画性あり、遅延しないこれは素晴らしい社員に違いないです。
②計画性なし、遅延しない計画性がなくても、すぐ行動に移るという行動の速さで仕事の効率性を担保し、良い成果をあげていくタイプです。優秀なベトナム人はこのタイプが多いですね。
③計画性あり、遅延する実はもっとも厄介なタイプです。頭が良いので、きちんとした計画を立てて提出してくる。しかし、自分に甘いので実行力がない。そして、成果が上がらないのは自分のせいではないことを言わんために、自分を正当化する理由ばかり並べる傾向にあります。
④計画性なし、遅延するあまりないタイプですが、ゼロではない。能力以上に高いポジションが与えられ、足踏みしているケースではみられるタイプです。

この4タイプをみると、計画性がなくても遅延さえしなければ、組織人として役立つはずです。言い換えると、いくら計画を立てても実行しないことには何も意味がないことになります(当たり前ですが・・・)。

しかしながら、すぐ行動をとれない、いわゆる行動が遅延することは、多かれ少なかれ、誰でも経験しているはずです。やりたいこと/やるべきこと、どちらを選ぶか、そういう場面には必ず遅延が存在しており、遅延と戦い続ける必要があります。

この遅延と戦うことに関して、世の中にはたくはん自己啓発に関する書籍があります。例えば、有名な Brian Tracy著『カエルを食べてしまえ!』とか、自己暗示であるNLPなどがあります。将来のビジョンを想像し、行動計画を作り、それに沿って、力強く邁進するのです。しかしながらこれは合理的ではあるものの、計画を邪魔する要因の多いこのベトナムという環境では中々難しく、私自身も遅延に常に打ち勝ってきたとは言えないです。

自分に合った、やり方は何だろうと考え続けました。

次号は遅延に勝つための一つの方法について、話したいと思います。

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プロフィール
Nguyen Dinh Phuc
E-mail: nguyen.dinh.phuc@hrnavi.com
Tel: 097 869 8181

国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。

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