2025年9月10
私は人材コンサルティングに携わりながら、人材育成会社HRIベトナムの社長兼講師を務めています。主にお客様の組織全体の人材育成に関する課題を伺い、本質的な問題をお客様とともに見極め、どのように改善していくか、人材育成の観点からどう改善に取り組むかを設計・実行するのが主な仕事です。
ご相談内容は多岐にわたり、たとえばローカルスタッフがあまり相談してこない、中間管理職が部下を育成できない、事業提案ができない、といったものがよくあります。こうした問題を突き詰めて考えると、多くの場合、最終的にはロジカルシンキングの力やコミュニケーション力の不足に行き着きます。
そこで当社ではロジカルシンキングの能力を高める研修を実施しますが、重要なのは、研修だけではその力はすぐに身につかないという点です。講師とのやり取りにとどまらず、部署内のコミュニケーションや家庭内のコミュニケーションなど、日々さまざまな人との関わりの中でこそ、ロジカルシンキングは鍛えられていきます。私自身のスタッフ育成においても、このプロセスには数年を要することがあり、満足のいくレベルに達しないケースも珍しくありません。
実のところ、変化に時間がかかりすぎることは、人材育成における過度な圧迫や強制につながりかねません。変化が目に見えにくかったり、部下を観察する習慣のない上司は「変わっていない」と捉え、人材育成をしても無駄だと決めつけてしまうことがあります。逆に、変化には時間がかかると理解している管理者は、変化を要求せず本人任せにしてしまいがちです。
また、たとえばロジカルシンキングを強化したいと思っても、どの部分が弱いのかを明確に特定できなければ、適切なフォローや具体的な要求に落とし込めず、結果として強化が進まないのが現状です。
人材育成は人材への投資ですから、やめてしまうのは賢明ではありません。一方で、ただ投資するだけで最大の費用対効果を求めなければ、貴重な経費の無駄遣いにもなりかねます。いずれの極端も避け、より良い進め方を模索することが求められます。
この課題を解決するため、HRIジャパンはロジカルシンキング診断を開発しました。ロジカルシンキングのスキル向上を支援する可視化ツールとして注目されており、その主な目的は次の3点です。
① 思考力の客観化
ロジカルシンキングを実践できているかどうかを、本人や上司・周囲の主観的・属人的な評価に頼らず、客観的に判断するための根拠を提供する。
② 効果測定
ロジカルシンキングおよび関連研修の学習前後で、受検者のスキル変化(成長領域)を可視化する。
③ 課題の明確化
ロジカルシンキングの実践における受検者の強みと課題を可視化する。
この診断では、受検者のロジカルシンキングの実践力を8つの要素に分けて分析。単なる知識テストではなく、実際のケースに基づいた設問を通じて、思考のプロセスそのものを測定します。
📋 診断の特徴と流れさらに、診断後には結果の読み解きセッションや質問フォローアップも可能(希望者のみ)。単なるスコアの提示ではなく、結果をどう活かすかまでサポートします。
本診断の活用シーンとして、まず全社員のロジカルシンキング力を可視化し、現状を把握できる点が挙げられます。定期的に実施することで各スタッフの強み・弱みが明確になり、弱点を補強するピンポイントな研修・育成施策を設計できます。さらに、6カ月または1年といった一定の間隔で再実施し、前回との差分を測定することで、スタッフの成長を人材育成投資の成果として客観的に評価できます。
特に、これまでコメントや上司に依存していた属人的な評価が客観的な評価へと置き換わることで、客観性と納得感が大きく向上します。評価を受ける社員も納得し、弱みの克服に主体的に取り組むようになり、一層意欲的に働いて成長が加速します。
現場では診断結果の正確さが当然重要ですが、それに加えて細やかな観察が欠かせません。ロジカルシンキングは抽象的な概念ではあるものの、個々の要素の力の積み重ねで成り立っており、各要素を鍛え、洗練させていけば、最終的に強固なロジカルシンキングを身につけられます。枠組みの明確さと緻密な観察、この二点こそが現場で人を成長させる原動力です。
上記のような取り組みになりますので、導入までにはさまざまなハードルがあるかと思いますが、重要ですし、部下のさまざまな側面が見えてきます。ご興味があり、条件が合いましたら、ぜひお試しください。
遠慮なくご連絡いただけますと幸いです。
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国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。
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