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2020年3月11日

嶋村チョイス!今月のKEY PERSON

会社名:E&H Consulting Co. Ltd.

氏名①:青木健次
役職:General Director

氏名②:Dinh Thanh Nghia
役職:Research and Technical Manager

「嶋村チョイス!今月のKEY PERSON」第13回を始めます!
どうぞよろしくお願いします。それでは青木さん、Nghiaさん自己紹介をどうぞ!

青木さん:生まれも育ちも日本で、2013年の出張で初めてベトナムに来て以来、現在までに10回以上滞在しております。私は大学院で環境や生態系といった分野に触れたことがきっかけで、そういった方向性の仕事を志望し、今の会社(エンヴィックス有限会社)に新卒で入社しました。入社以来一貫してベトナムを含む東南アジア地域を担当しており、日本企業様(特に電気電子製品や自動車分野)を相手に、環境規制コンサルティングをおこなっております。ベトナム以外ですと、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ラオスといった国にも仕事で出張しております。ベトナム料理で一番好きなものはフォーです。ですが、パクチーは苦手です。

(温和な性格、知的でスマートな青木さん。東京大学出身です!)

Nghiaさん:ハノイ出身で、高校まで過ごし、2006年に日本に留学しました。日本語学校で1年、東京大学で学部4年、大学院で2年と合計7年を日本で勉強しました。大学では化学工学システムの分野で、環境化学、材料化学、化学工学などを専門に学びました。大学院卒業後、日本の企業へ就職し、神奈川にある電子半導体の企業でエンジニアとして6年間勤務しました。13年強日本で暮らした後、日本の企業がベトナムに注目しているのを感じ、身に付けた専門的な経験と語学を活かしたいと思い、2019年8月にベトナムに帰国しました。
なぜE&H Consultingを選んだかと言うと、大学で化学を専門に学び環境化学に関わってきまして、就職時に製造現場で環境規制とか環境法律にも多少触れたことがあり、興味がありました。また、技術出身で研究開発と製造エンジニアを中心にやってきましたので、自分の技術を活かせると思ったからです。ベトナムではこういう分野は面白いな、チャレンジしてみたいなと思いこの業界に入りました。

(いつも笑顔のNghiaさん。日本人顔負けの日本語能力をお持ちです。彼も同じく東大出身!)

Q.E&H Consulting社の会社概要、事業詳細について教えてください。
Nghiaさん:E&H Consulting Co. Ltd. は2019年9月に、環境規制のコンサルティング事業で日本国内で25年以上の歴史を持つエンヴィックス有限会社と、ベトナム現地のパートナー企業との協業により設立されました。
アジアの環境規制は複雑でどんどん変わっています。そのため現地企業では対応するのが難しいというのがあります。現地日系企業は規制に対して意識は高く、順守する姿勢がありますので、情報収集してサポートするというのがE&H Consultingの事業です。
主な事業は下記4つあります。
<サービス内容>
①環境顧問サービス・・・化学物質、環境、エネルギー、労働安全衛生、防火消化の5つの分野で経験のある専門家と提携してそれらの規制についての情報提供、コンサルティングを行います。
②調査及び市場研究サービス・・・環境保護と規制の情報を調査してお客様にレポートを提供します。
③環境監査サービス・・・製造業では必ず政府当局からの環境監査があります。違反すると罰則がありますのでそうなるのを避けるため現場で適切に処置しているか実際にチェックするだけでなく、どのようにすれば法律を守りながら、効率的に、より低コストで事業を維持できるか技術的な面も提案しサポートします。
④新規投資者支援サービス・・・企業ベトナム進出時の手続きや申請書類作成のサポートを行います。

化学物質、環境、エネルギー、労働安全衛生、防火消化の5つの分野で経験のある専門家と提携していますので、直接現場へ派遣したり、監査経験のある専門家によって深いコンサルティングを行うことが可能です。

Q.会社設立経緯を教えてください。なぜベトナムに作られたのですか?
青木さん:ベトナムに会社を設立した最大の理由は、大きなビジネスチャンスがあると考えたからです。日本企業にとって、チャイナプラスワンの最有力候補としてベトナムが挙げられており、日本企業のベトナム進出はますます加速しています。実際に、ここ数年間で親会社であるエンヴィックス有限会社へのベトナム関係の御依頼は着実に増えております。日本人にとって、ベトナムの環境規制や化学物質規制を理解し、それに対応することは言語の問題などから、非常にハードルが高いことがその理由にあると思います。
エンヴィックスではこれまでも、ハノイに在住している個人コンサルタントを通じてベトナムでの情報収集や各種調査をおこなってきましたが、より迅速に且つ柔軟に、お客様のご依頼に応えるためにも、エンヴィックス自身が法人を立ち上げて組織的な運営をすることが必要と考え、会社設立に至りました。

Nghiaさん:エンヴィックス有限会社は1994年、日系企業がアメリカ、ヨーロッパなどをはじめたとした海外に進出する際の現地の環境規制対応について日系企業(主に製造業)のサポートを始めました。特にこの十数年、中国、タイ、ベトナム、インドネシアなどのアジア各国への日系製造企業の進出が増えたため、それらの国々についての調査・コンサルティングのニーズは高まっております。アジアの環境規制は年々複雑化しており、且つ厳しくなってきているため、現地企業が直面する問題は増加傾向にあります。
特にベトナムでは環境規制が頻繁に改正され、ますます厳しくなっております。製造事業により引き起こされる環境汚染は非常に影響が大きいですので、現地で確実に最新の情報を収集する必要があります。E&H Consultingは現地の専門家と提携して法律の解釈を明確にすることはもちろんのこと、法律を順守する為に適用するべき技術が適切であるか、有効であるかといったことを現場でサポートするため、現地子会社として設立されました。

(E&H社のオフィス内風景を撮影させていただきました)

Q.現在のベトナムの環境事情と問題点を教えていただけますか?
青木さん:経済成長にともなう様々な環境汚染と、その解決のための環境規制強化が企業にとっては懸念事項となっております。
ベトナムは経済成長の真っ只中にあり、他のASEAN諸国と比べてもGDPの成長率が安定しており、人々の暮らしは年々豊かになっています。しかしながら、そのような急成長の反動もあって、多くの環境問題が現れています。特に近年最大の環境汚染事故としましては、2016年に中部の沿海部で起きた製鉄所からの排水事故が有名ですが、これはベトナム国内でも非常に注目を集める事例となりました。この環境事故がきっかけとなり一部の環境規制が強化されたことで、工場を運営する企業にとっては負担の増加につながるという問題が生じました。そのほかにも化学物質に関する規制やエネルギー管理に関する規制も年々強化されており、メーカーをはじめとした企業サイドは、それらの規制対応に追われることとなります。

Nghiaさん:現在のベトナム環境規制に関する問題点は3つあると考えます。
1つ目は環境規制の法律が複雑だということ。2つ目は企業にとって規制を順守することは大変で、適切な知識がないと違反してしまったり、無駄なコストがかかってしまうということ。3つ目はわかりやすくするまとまった情報(教科書のように情報、知識、経験等が集約されたもの)の提供がまだ上手くできていないということ。
理解できてないから違反してしまう。適切な規制の情報の提供が必要となると考えています。現地日系企業は規制に対して意識が高く、順守する姿勢がありますので、情報収集し、さらに具体的なサポートをするというのが主な事業です。

Q.今後の御社でのベトナムでのビジネス展開についてお聞かせください。
青木さん:ビジネスで上手く進まないと感じる日本人のタイプは、ベトナム人の文化に合わせる気持ちがないというタイプです。結構多いと思います。お互いの国は全然文化が違いますから、一緒に働く時には合わせないといけない部分があると思うんです。例えば、ベトナムは家族を大切にしますが、日本の文化では子供が病気でも休んではいけない、という風潮がありますよね。ビジネスマッチングをやっていると特に感じるのですが、自分達のスタイルを固持して変えようとしない。もちろん日本人には時間を守ったり、仕事をきちんとやるところとか、いいところがたくさんあります。でも外国で外国人と働くのであれば、できればもう少し柔軟に、100%でなくても30~40%くらい合わせていただければ、もっとお互い働きやすくなると思います。

Nghiaさん:具体的には、専門家からの意見、分析、評論などを含めた環境規制に特化したデータベースを構築していきたいと思います。新しい規制に対しては新しいサービスモデルを構築していくことも予定しています。

Q.業界の最新トピックはなんでしょうか?
青木さん:様々な問題があるなかで、特に今ベトナムで注目を集めている分野が「化学物質規制」です。
環境汚染の防止や人間の健康を守るうえで、化学物質を適切に管理することは最重要事項と言えます。そこでベトナムでも、日本政府の支援を受けて数年前より新しい化学物質管理制度の構築が進められてきました。現在(2020年2月時点)のところはベトナム政府内での草案(ドラフト)にとどまっているため、どのような規制となるかは未知ですが、工場においては各種の原料として化学物質が使用されているため、企業側の負担が増えることが懸念されます。そういったなかでE&Hとしましては、適切な対応がスムーズにとれるようサポートできる体制を構築しております。

Nghiaさん:今ベトナムでは国内で製造・輸入される化学物質についての情報をまとめた「国家化学品リスト」の準備が進められています。このリストに登録されている化学品については特別な手続きを経ずに輸入できますが、リストにないと試験や複雑な手続きが必要になります。製造業にとって化学物質は原料となるため、それらを輸入して製造に使うことが一般的ですので、試験や複雑な手続きを課されると、ビジネスに支障を及ぼす可能性があります。また、化学品に関する企業機密情報を守りながら輸入するためには、複雑な通関手続きも必要になります。その手続きをよりスムーズにするため政府当局とやり取りして合理的な手続きを構築することが、E&Hが力を入れている事業のひとつになっています。
日本の企業からは化学物質に関する規制の調査依頼が多く、化学品を輸入する際に申告する必要があるかどうか不安を抱えるクライアントが多いので、こうしたサポートに力を入れたいと思っています。

Q.青木さん、Nghiaさんが目指す、これからの仕事における夢を教えてください。
青木さん:E&Hでの仕事を通じて、ベトナムの持続可能な発展に貢献したいです。
ベトナムの複雑な環境規制について、クライアントに対して的確なアドバイスを提供することで、事業活動が円滑に進めるようにしていくのが目標です。

Nghiaさん:現在、主にサポートしているのは日本の製造企業で、特にベトナム現地でも日系企業にアプローチしていきたいと思っています。環境管理の担当者にアプローチできれば一番いいです。そのためにも、先ほど申し上げたベトナム国内で最も信頼される環境規制分野の情報サービスの構築に力を入れたいと思っています。企業にとって避けたいのは違反することですから、過去の違反事例やケーススタディなどについて分析し、それらをまとめた知見を提供することが必要と考えます。
その他ニュースレターの発行、セミナーの企画、訪問者のサポートなどを今後検討しています。

(エンヴィックス本社での忘年会での写真)

ありがとうございました。

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インタビュアー
ハノイ支店マネジャー 嶋村 拓史(しまむら・たくじ)
E-mail: takuji.shimamura@hrnavi.com
Tel: 090 1828 660

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