Blog

2018年12月14日

嶋村チョイス!今月のKEY PERSON
Vol 3:: Tribal Media House Technology Lab Co,. Ltd. / 佐藤 譲太郎(さとう じょうたろう)さん

氏名:佐藤 譲太郎さん (Jotaro Sato)
会社名:Tribal Media House Technology Lab Co,. Ltd.
役職:General Director

「嶋村チョイス!今月のKEY PERSON」第三回を始めます!
どうぞよろしくお願いします。それでは佐藤さん自己紹介をどうぞ!

限定!プロフィール記念写真!ハノイを代表する爽やかイケメン社長です☆

佐藤さん:よろしくお願いします!トライバルメディアハウステクノロジーラボの佐藤 譲太郎です。 ベトナム/ハノイに会社を設立して4年になりますが、日本側の仕事も兼務していて、頻繁に往復しているので、実際の滞在歴としてはまだ2年程度の新米です。

Q.佐藤さんはなぜベトナムに来ることになったのですか?

佐藤さん:約11年前に、当社の現代表を中心に、私を含めた数名の仲間とトライバルメディアハウス(日本本社)を立ち上げました。主にマーケティングのコンサルティングやプロモーションを生業にしているんですが、設立5年目あたりから自社でマーケティングシステムを開発し提供するようになりました。システムの売り上げが順調に推移する中で、エンジニア不足の壁にぶちあたりました。

同業界の仲間に人材不足の相談をしたところ、仲間内だけでもベトナムに進出している企業が結構あったんですよね。それがきっかけで2014年にハノイ、ホーチミンに視察に来て、大学生向けのイベントに参加して新卒学生を採用したりと、あれよあれよと物事が上手く進み、2015年1月に現地で会社を作っちゃいました。それが現在のTribal Media House Technology Lab Co,. Ltd.です

周囲の皆さんから「なぜ、ベトナムを選んだんですか?」ってよく聞かれるんですけど、ぶっちゃけ人の縁が決め手です。もちろん、IT人材が日本よりも豊富なこと、国策としてIT人材の教育に力を入れていること、比較的に親日であること、コスト面など条件はよかったですが、海外の進出経験もなかったですし、最終的には縁あってこその進出でした。

Q.Tribal Media House社ではどんなことをされてますか?

佐藤さん:弊社は日本企業向けにソーシャルメディア管理ツールなどのマーケティングシステムやメディアの開発を行う開発会社です。最近は、インターナルコミュニケーションツールの開発にも注力しています。

弊社では依然からインターナルコミュニケーションを円滑にする取り組みを積極的に行っているんですが、その中で上手くいった取り組みをシステム化して社外にも展開することで、はじめは微力でも“働くこと”を楽しく、ポジティブになる世の中に寄与できたらなと考えています。

皆さん笑顔が素敵すぎます!良き会社のシンボルマークですね。

Q.ベトナム人と働くことについて、佐藤さんの率直な感想は?

佐藤さん:当初進出を検討する中でベトナム人の働き方や仕事に対する考え方についていろいろな方からアドバイスをいただきました。あげるとキリがないですが、ざっくり言うと以下に集約されます。

  • いろいろな要因で日本に比べて定着率が悪い(例:転職は文化である、テトで必ず退職する など)

  • 言葉の違いもあるけど、文化的な背景もあってコミュニケーションが難しい

こんな事前情報をもらいながらの船出で、つまり、もともとベトナム人と働く環境についてあまり良い情報がないマイナス地点からの船出だったのが現在となっては良かったと思ってます。なぜなら眼に映るもの全てが加点されるので。時間どうりに出社するとすごい!ホウレンソウしてくれたら感動!みたいな(笑)。また、素直さやまじめに取り組む姿勢は日本と変わらないかそれ以上だと感じました。この気持ちは昔も今も変わらないですね。

もちろん、素直に謝るのが苦手だったり、ホウレンソウが苦手だったりという課題もありますが、そこは焦らずに双方ですり合わせていきたいと思ってます。

あと、アドバイスというとおこがましいですが、私自身の経験からこれまでのやり方や考え方をそのままベトナムに持ち込まないようにする「脱!日本式」の心構えは必要だと思います。

ここはベトナムです。日本式の良いところは残しつつも、ベトナムというヒトの特徴をしっかり理解し、双方のいいところを取り入れる柔軟な姿勢は、信頼関係を構築する上でもとても大切だと考えています。

オフィスの空間が超魅力的!定期的にランチ/ディナー会が開催されています。

Q.御社では社員が定着してますよね。その秘訣をぜひ教えてください。

佐藤さん:数値として出してはいないですが、周りの話を聞く限りでは、うちは離職がかなり少ないほうだと思います。ただ正直、明確な理由はわからないんですよね(笑)。「これがキメ手だ!」というものはないと思います。あたり前のこともあると思いますが、強いて工夫しているのは以下のような方針や行動になります。

【成功の秘訣】

①スキルよりも人柄重視

スキルはやれば伸びる。それよりも開発というモノが好きかどうか、入社して彼らが成長できるフィールドがあるか、人柄(性格など)はどうか、ということに焦点をあてて選んでいます。当社ではほぼ全員が新卒・第二新卒を採用するのでスキルは同じくらい。大袈裟ですが、即戦力としては何も期待していません(笑)。とは言え、一般的に本社サイドは成果を期待するので、この理解を得るコミュニケーションは欠かせません。そして、この理解があるからこそ、1年目は成果を出さなくても、2年目、3年目になった時により良い成果物が出せるような教育また組織作りに取り組むことができています。

②徹底した新卒採用

ここベトナムは年功序列の意識が非常に強いということを聞いていたので、もし仮に、年齢が高いスタッフが入社してしまうと、当初からいる社員の立ち位置が奪われてしまう可能性がありますね。それは将来の大事な芽をつぶすことになってしまうので、採用時は必ず現在いる社員よりも年齢下の方を選ぶことにしています。設立から社員はありがたいことに良いペースで増えていってますが、生え抜きのスタッフが育つことによって、会社愛が芽生え、自分たちでこの会社を大きくしようと思う気持ちが醸成されるんです。年上から順に背中を見せて働くことで、常に向上心を保つことができる職場環境が作れるのではと考えています。若く経験がないということがリスクとも取れますが、それもヒト次第だと実感してます。逆に、新卒のように社会人経験がないことで、型がない分、マネジメントしやすいというメリットもありますし。

③入社時に大切にする価値観の共有

当社の会社方針として守ってほしい10カ条を必ず伝えています。それは、嘘をつかない、挨拶をしよう、家族を大切にしようといった道徳的なものです。正直あたり前のことばかりですが、みんなが気持ちよく働くための最低限のことをベースに文化作りをして、それ以外のことで細かく指導しないようにしていますし、スタッフにもこの決めゴト以外は、とやかく注意しないことを約束しています。ベトナム人は叱られるのが苦手と聞いてましたし、どうしても必要なルールがあればあとから考えればいいかなと思って。

④仕事を楽しむ姿勢を知ってもらう

僕自身が楽しんでいる姿を見せるようしてます。仕事ってしんどい時もありますよね?当然ですが。でも、仕事は辛いもので、それを耐えるからお金がもらえるなんて思ってもらいたくないんです。どんなときも、常に楽しんで仕事ができるっていうことを背中で見せられるように、普段から働き方を意識しています。仕事ってそんなに悪くないもんだなって思ってもらいたいので。

⑤丁寧なコミュニケーション

例えば、社員に指示を出す時には、その背景と目的を話すようにしています。
「決まりだからこうして」というようなコミュニケーションは可能な限りしないようにしています。
なんでこれをやるのか?という話し合いはチームで行うようにしていて、共通の価値観をもてるようになるまで諦めない!これしかないのかな、と思います。

⑥評価軸の明確化

何で評価するのかを明確にしています。今うちの社員全員にうちの会社は何で評価しているのか聞くと、同じ答えが返ってくるはずです。そのくらいわかりやすくしていて、①スキル②チームワーク③チャレンジ、この3つで評価しています。大げさにいうと、どれかがゼロであったら、すべてがゼロになってしまいます。エンジニアなのでスキルに特化することもあるかもしれませんが、そうなるとうちではそこまで評価されません。3つの円の大きさをみて、評価しています。

⑦テトで両親に手紙

現在社員全員で37名いますが、その全員の両親にむけてテト前に手紙を書いています。これは設立時から始めている取り組みで、年々人数が増えていっているので少し大変ですが、毎年行っています。
面接した時から、普段行っている面談の内容、例えばその子の入社した理由とかその子の持っている目標に沿って手紙を書いています。それを1年間の思い出の写真と一緒に封筒にいれて渡しています。
ベトナムではテト休暇で実家に帰った時に、家族に会社のことを話して「そんな会社やめちゃえ!」て言われるとほんとに辞めちゃうって聞いていたので、そんなに影響力があるなら、味方になってもらえたらこんなに心強いことはないですからね。

Q.最後に、佐藤さんのこれからの夢・目標を教えてください!

佐藤さん:現地での仕事目標は日本以外のアセアン・ベトナムでのプロダクト展開を軌道に乗せること。夢は「働くことを楽しめる社会をつくる」ことです。

―――――
インタビュアー
ハノイ支店マネジャー 嶋村 拓史(しまむら・たくじ)
E-mail: takuji.shimamura@hrnavi.com
Tel: 090 1828 660

コメント:ベトナムで人材採用のお手伝いをしております!人材の件でご相談ございましたらいつでもお問い合わせください。