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2018年6月13日

輝く日本人
Vol 12::FRONTIER CONSULTING VIETNAM Co., Ltd. 中島さん

氏名:ジェット中島さん (Mr. JET NAKAJIMA)
会社名:FRONTIER CONSULTING VIETNAM Co., Ltd.
役職:代表取締役

嶋村:本日はよろしくお願いいたします。まずは簡単な自己紹介からお願いいたします。

中島さん:「人生を情熱的に、刺激的に、荒々しく」ジェット中島です。最初からふざけすぎていて、すいません。最近たまにYOUTUBE活動をしており、上記の言葉を前口上として使っていたのでつい出てしまいました。(Youtubeリンク

気を取り直して自己紹介を始めます。アメリカ・シカゴで3年9ヶ月ほどインテリアデザインの勉強をした後、フロンティアコンサルティングに入社し2011年からはFCV(フロンティアコンサルティング ベトナム)の立ち上げに携わり、現在は同社にてDIRECTORを務め、オフィス内装の設計監修、工事監修、バックオフィス業務等を普段は行っています。趣味はプロレス・格闘技・バターコーヒーを飲むことです。

嶋村:ありがとうございます。バターコーヒー、気になります!中島さんはアメリカには3年9ヶ月行かれていたのですね。

中島さん:そうですね。アメリカではオハイオ州の学校で1年3ヶ月、その後シカゴの学校へ編入し2年半、勉強していました。まずオハイオの学校でアートの基礎のみを勉強し、インテリアデザインの勉強は別の学校に出向して、その後またオハイオに戻って学位を取得する制度の学校でした。インテリアデザインを学べる良い学校というのがシカゴにあり、その学校にいくことになりました。当初は1年の予定でしたが、いざ行ってみると刺激のある環境であることに加えて、すごく楽しいものでした。楽しいと同時にめちゃくちゃキツかったですけど。

嶋村:アメリカ滞在中はどんな生活をされていたのでしょうか?

中島さん:まず、英語がネイティブでないので先生の言っていることを完璧に理解するのが難しかったです。予習復習はマストですが、ネイティブで勉強している人が2・3時間かかる内容を、我々留学生は6時間から8時間くらいかけてやっていました。授業は朝の9時から始まり、一番遅いものだと夜の21時半くらいに終わっていました。その中で、2・3コマの授業をとっていたのですが、21時まで授業がある時は、家に帰ってから22時ごろまで仮眠をとって、そこから朝の4時までずっと勉強し、その後6時まで寝て、授業に行くという生活でした。そのような生活を繰り返して、2008年に卒業してすぐ日本に戻り、現在の会社である「Frontier Consulting」に入社しました。

嶋村:すごい!ストイックですね。誰にでもできることじゃないですよ。入社してからはどのような経歴でベトナムにこられたのでしょうか?

中島さん:デザイナーとして働き始めて2年ほど経った時に、オフィスの移転のプロジェクトがあり、そこにデザイナーとしてではなくなぜかプロジェクト統括マネージャーとして参加することになりました。通常であったら、そういったマネージャーは営業の方がやる仕事で、デザイナー営業を支える立場なのですね。その立場が逆転して、デザイナーとしては見えなかったことが見えるようになりました。その時に、お客さんと折衝するのがいかに大変なことなのかということと、リーダーシップをとって物事を動かすことが楽しいということがわかりました。

そのプロジェクトは無事終わりましたが、その後はもとの設計として働いていました。その後に来たプロジェクトというのが、さばききれない設計の仕事をベトナムに流す、というものでした。それが2011年のことで、9月には会社が設立し、そこから人材を募集し始め、11月からベトナム人3名と私、計4名という形で本格的に始動しました。

嶋村:中島さんはこれまで留学で色々な国籍の方と接してこられていたと思いますが、ベトナム人と関わるのはその時が初めてですよね?その時の印象はどうでしたか?言葉や習慣で驚いたことはありましたか?

中島さん:仕事に対する姿勢はまったくちがうなと。私はずっと本社で働いていたので全てのこと知っていますが、彼らは言葉や文化などの背景も違うので。共通の認識をもち、その中で自分の想像しているものと同じものを作って行くのがすごく大変でした。少しでも不備があると全く違うものが上がって来てしまうので、共通認識を持つための教育が大変でした。例えばデザインを自分が全てやって、彼らに清書だけお願いするのではなく、彼ら自身に自分で考えてやってもらうようにしていました。

嶋村:その、自分でやってもらうのって大切だと思うのですが、ベトナムの教育でいえば自分で考えて物事を率先してするということが苦手なイメージがあります。私も、今であろうと昔であろうと一番難しい所だと思っています。中島さんはどのように解決されているのでしょうか?

中島さん:正直いうと100%解決できているわけではなく、今でも悩みながら進めているところです。ベトナムで仕事をしていて思うのは、みんな0か100かの白黒で分けてしまうところがあるということです。

うちの会社のミッションは「OPEN UP YOUR DISTNY BY THE OFFICE」、つまりオフィスで運命を切り開くということになります。これをやるためには次の3つのバリューが必要になります。

  • ①「主体的であれ」
  • ②「誠実であれ」
  • ③「補完的であれ」

特に私が最近よく言っているのは「主体性を持って動いて欲しい」ということです。100%主体性をもってできないことっていうのは無いと思っています。

例えば、今は仕事が多すぎてこれ以上受けられないという時でも、「この時期だったら、仕事が落ち着いて受けることができるから、そこでお願いします」というように物事を折衝することはできる。物事には白黒だけでなくグレーゾーンもあるということを理解してもらうのは大切だと思っています。

もちろん、仕事だけでなくプライベートでも、家族と過ごす時間を作るために仕事を早く終わらせる方法を考えればハッピーになれるよね、ということも話しています。

ベトナム人は挨拶ひとつから、仕事の調整など様々な場面で受け身になりがちなところがあります。誰かの責任にして、主体性をもって動かない方が楽なので。ただ、そこで私が諦めてはいけないなと思って、社内でしっかり教育や研修を行っています。

たとえば「7つの習慣」を自分なりにまとめています。求めていることと先ほどの弊社のミッションとを照らし合わせて伝える、ということを月に一回外部のカフェなどを借りて半日がかりでやっています。

嶋村:すごいクオリテイですね!(資料をみせていただきました)今後のビジョンなど何かありますか?

中島さん:我々は今後もベトナムで仕事をし続けたいと思っています。

そのためにはベトナム人に仕事を任せていく必要があります。ただ、日系企業に営業していくと日本人を採用して、彼らが仕事の中心になってしまいます。ベトナム人が活躍できる場を作るとなると、欧米系の企業と日系企業のパイを同じくらいにしていくことが必要になります。ベトナム人をしっかり教育して、彼らが直接営業にいって、日本人が間に入らなくて良い場面を作っていきたいです。

個人的に考えていることは、うちはオフィスの内装を専門にやっているのですが、そこでベトナム人に一番良いお給料を払える会社になりたいということです。

そうするためには顧客に満足してもらえるような価値を提供していく必要があると思います。「他社と比べてここがいいよね」というレベルではなく、我々がはいったことでその企業の価値をあげていく。お客さんに選んでもらうというのでなくお客さんを選べるようになる必要があると思っています。

我々はオフィスの内装、設計、工事だけやっていると思われてしまいがちですが、それだけでなく内装のコンサルをできるような会社、働き方や教育など、他社が追いつかないくらいのハードとソフト、両面の提案をしていきたいと考えています。

ホーチミンオフィスのみなさん

嶋村:是非、実現して欲しいです。

私が営業をしている中で、お客さんと内装設計の話になればFrontier Consultingさんの話がでることもしばしあります。その時には決まって中島さんの名前がでます。つまり良い噂が出るということは技術だけでなく、中島さんの陰ながら日々の努力をされている結果だと思います。どんなことをされているのでしょうか?

中島さん:営業・デザイナー・工事を行う人全員が自分の仕事に誇りをもてるような姿勢でいることが重要になってくると思います。そのようにできる体制をつくることを目指しています。お客さんに「○○さんでよかった」といわれるのって結構嬉しいじゃないですか。私は彼らにその体験をして欲しい。

ベトナムの子達は、結構色をつけることをしたがりますが、たとえばエントランスの壁に斜めの線をいれてかっこいいでしょ、といっている。それに対してその斜めの線を入れる意味はあるのか?太さにはどんな意味があるのか?というころに対してコンセプトがなかったりします。内容はあるけど効果的でない。私はみんなが普段から頑張っていることを知っているので、やるのであればお客さんから評価されて欲しいと思っています。彼らがしっかりと評価される仕組みを作っていきたいと思っています。

嶋村:最後に、これからベトナムに来る日本人に向けてメッセージをお願いします!!

中島さん:ベトナムは一言で言うと、「熱い」です。気温的な暑さもありますが、国が大きく成長し、人も明日への希望を持って生活しているのを生で感じ取れる国になります。我々が話でしか聞いたことの無い、昭和30年代の伸び盛りの雰囲気を日々感じます。この熱気は実際には生でしか感じ取れないですし、伝えられないです。一つ枠を飛び出して人生にスパイスを加えたいと思う方はぜひベトナムにお越しください。日本だけで生活しているときっと分からない「何か」が見つけられると思います。

嶋村:いつも勉強になります。教育やマインドセットについてお話しを伺えて、改めてその重要性に気づけました。本日はどうもありがとうございました。

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インタビュアー
ハノイ支店マネジャー 嶋村 拓史(しまむら・たくじ)
E-mail: takuji.shimamura@hrnavi.com
Tel: 090 1828 660

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